toggle
2023-06-30

福島県富岡町での調査

こんにちは。修士2年の土川です。6月28日に修士研究の調査として福島県富岡町の役場の方にお話を伺いに行きました。私は原発被災地において避難先から原住地へと「通う」人々を対象に通うための拠点として原住地の家屋や土地の活用手法について調査しています。

津波が押し寄せた地域の高台にある神社からの眺め

福島県の原発被災地では放射能汚染の影響で長期間の避難を余儀なくされ、原発周辺の地域住民は見知らぬ土地で長い避難生活を送ることとなります。12年が経過した現在は、元々住んでいた町へ戻る人もいますが、実態としては「戻らない」と考えている人が多いのが現状です。このように町への「帰還」か、避難先への「移住」か、という選択を迫られてきた被災者の中には、その二者択一ではなく、避難先から元々住んでいた町へ「通う」という選択を取る人もいることが既往研究で明らかとなっています。そしてこの「通う」という選択が、「故郷へ戻りたくてものも戻れない」などの複雑な事情を抱える人々にとって現実的な住まい方の一つになるのではないかと考えています。

インタビューの際に用いた事前調査の地図

今回の役場の方へのインタビューは、「通い」の実態について把握し、今後の調査計画を立てるために行いました。インタビューでは、事前に作成した資料を用いて「通い」にどのようなパターンがあるのか、また、「通い」の目的などを知ることができました。

今後は、インタビューの内容や実際に現地を見て得た情報をもとに、住民の方へのインタビュー調査や実測調査の進め方について考えていきたいと思います。

関連記事