南伊勢町神津佐地区での現地調査
こんにちは、学部4年の大久保歩です。
先月末、三重県南伊勢町神津佐地区に初めて視察に行きました。
南伊勢町神津佐地区は志摩半島の五カ所湾に面しているため、南海トラフ地震で津波の被害が想定されている地域です。
私は住民主体の事前復興計画について研究したいと思い、地区で独自の防災計画を行っている神津佐地区を調査対象地域として研究を進めたいと考えています。
今回の視察は、調査対象地域にするにあたり地区の現状を把握することが目的です。
最寄り駅の近鉄志摩磯部駅は隣接市である志摩市にあり、そこからバスに15分ほど乗って神津佐地区に向かいました。
神津佐地区は両側に山がそびえる谷のような場所に集落があり、更には集落の中央に神津佐川が流れている自然豊かなまちでした。一方で、津波に対して脆弱性がある地形でもあります。
最初に神津佐地区の区長さんから、地区のことについてお話を伺いました。人口や周辺環境などの基本的なことから、防災計画の内容や決定プロセス、更には今後の構想などを知ることができました。この地区は区長さんが地域活性化のための計画を考え、実行しているため、南伊勢町の他の地区よりも高齢化率や人口減少率が低いとのことでした。
また、インタビュー後に伊勢志摩国立公園の横山展望台に連れて行っていただきました。英虞湾を一望することができる素敵なスポットなので、志摩周辺に行くことがあればぜひ行ってみてください。
二日目には、区長さんや住民の方と一緒に地区内の一時避難場所を三ヵ所登りました。
今回訪れた三ヵ所の避難場所は住民の方が協力して道を整備したり造成したりして作った避難場所で、階段や坂が急な場所もありましたが、地区の方の防災意識の高さを感じました。
また、二人の住民の方にお話を伺うことができました。90代と80代の方ですが、とても健康的でパワフルな方たちでした。お話では、この地区のコミュニティに強い愛着があり、災害は怖いけれど住み続けたいとおっしゃっていました。
今回の視察で自身の研究の方針を改めて見つめなおすことができ、今後はより良い方向に進めていきたいと思います。