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2022-08-31

長野市長沼地区での現地調査

6月28日,29日,30日、7月28日,29日、8月3日,4日に長野県長野市長沼地区へ現地調査に行きました。

今回は、現地の方へのインタビューを目的として訪問しました。

お話を伺ったのは3名です。

1人目のAさんは、長沼の自宅でパン屋を営み、被災後から改修を続けて現在も長沼に暮らす方です。

被災後の復旧作業時に、家具などの物はほとんどがゴミとなってしまい、使えなくなってしまうことが分かり、再建時には、元々パン屋で使っていたステンレス製のラックやりんご箱、キャンプ用品などを用いて、次に災害が起こった際に避難や物の避難の事や暮らしを早期に再開させられる事を考え、水害に強い暮らし方を追求していました。

現在は母屋のほとんどが床を外したままになっているので、少しずつ直している形が見受けられました。

床を外し乾燥させている様子

また、現在自宅で営業を行うパン屋さんについても、元々別の場所で営業していたものを、被災をきっかけに自宅営業に切り替えたことで、自宅の再建に優先順位がついたこと分かっており、パン屋を中心とした復興の形も見受けられました。

自宅営業に変わったパン屋

2人目のBさんは、長沼の地でずっと農家として暮らしてきた方です。

被災後の現在でも農業を続けており、自宅も一部改修して現在も長沼に住んでいます。

Sさんは昔から農家としてこの地で暮らしてきているので、この地を離れる判断はせず、自宅の解体も行っていません。また、Sさんはご高齢であるため自宅の大規模改修は行っていませんが、床を外した後、畳を入れるなどの最低限の改修を行っています。

農業用倉庫は、被災後から農業を手伝ってくださる方のために空調設備を整えたり、2階へ行くための階段を設置しました。

あんず

自宅を最低限の改修によって直し、農業というこの地に根付いた暮らし方を現在も続ける愛着深い暮らし方が見られました。

3人目のCさんは、自宅で商店を営んでいましたが、現在は自宅を公費解体によって解体し、隣町の公営住宅で暮らしている方です。

長沼にあった自宅はこだわりを持って建てた家であり、時間をかけて増築を繰り返してきた家であったため、公費解体の選択は望まないものでありましたが、被災後カビが生えるなど住める状態にないことが理由で、公費解体を決意しました。

現在は、一部のみ残っており、倉庫として使用されています。

公費解体後は、みなし仮設を経て公営住宅へ移りました。

それにより、今までの生活とは一変し、人間関係も希薄化するなど、暮らし方に大きく変化が見られました。

今回は3名の方にインタビューを行い、それぞれに暮らし方の工夫や変化が大小異なる選択によって行われている姿が見受けられました。今後は、この暮らし方やそれに伴う選択について、分類やパターン分析を行い、研究を進めていこうと思います。

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