toggle
2023-11-15

我孫子市久寺家地区での現調査

こんにちは。学部4年の椛澤です。11月12日に千葉県我孫子市久寺家地区で卒業論文の調査を行いました。
今回は6月中旬から9月下旬までに行った、「住民主体避難所(指定避難所以外の避難所)」の調査の途中経過を、久寺家三菱自治会が主催で行った避難訓練で発表させていただきました。

避難訓練の様子

久寺家地区は、利根川と手賀沼に挟まれた地域であり、過去に水害の被害に多く見舞われていました。さらに地域内で標高差があり、標高の低い土地では内水氾濫にも悩まされているのが現状です。特に低地に住んでいる住民は水害に対し強い危機感を持っています。そのため地区の取り組みでは、災害時に農家,自治会
館, 寺を避難所として開放することを計画しています。
6月中旬から9月下旬までの調査では主に農家の避難所についてヒアリング調査を行いました。
久寺家地区の指定避難所である久寺家中は、地震災害時の利用を想定した避難所であるため、ハザードマップでも危険な場所に立地しています。さらに、調査対象地区から徒歩で15分であることがわかりました。一方で調査した2件の農家の避難所は、調査対象地区から徒歩8分の高地にあります。避難所としての機能は作業所、母屋、また子が独り立ちしたことによって生まれた空き空間(作業所の二階) などを主な避難場所とすることを計画しています。また屋外には、畑などの広大な空間があるため駐車スペースとして設けるそうです。さらには釡戸、堀井戸(一部の農家) などの農家特有の道具を利用した支援も行ってくださるとのことでした。

農家の避難所(日暮俊一さん宅)
農家の避難所(日暮正昭さん宅)

農家の避難所は、特有の土地の広さ、空き空間、更には長年久寺家に住まうことから、地域の顔になっていることなど、様々な条件のもと避難所として成立していることがわかりました。今後課題としてあげれるのは、物資やボランティアなどの支援がないこと、農家の避難所についての認知が少ないことなどがあげられ
ます。実際に今回行った発表の質問として、農家の避難所はどこまで話が進んでいるのかといただき、認知はしていてもどこまで機能しているか理解していない住民が多数を占めているのであると感じました。

農家の避難時の駐車スペース(俊一さん宅)

今後はこのような課題と向き合いながら、指定避難所との比較を整理していきたいと思います。さらに自治会館、宝蔵寺の調査も進めていきたいと思います。
ヒアリング調査、アンケート調査、さらに今回のような発表の場を設けてくださったこと、ご協力いただいた住民の皆様には心より感謝申し上げます。

関連記事