子ども食堂の現地調査
こんにちは、学部4年の荒井未羽です。8月と9月に埼玉県の子ども食堂4軒へ現地調査に行きました。今回は現在使われている子ども食堂空間の把握、測定と代表の方へのインタビューを目的として訪問しました。
1軒目の子ども食堂Aは元居酒屋を改装して週5日、子ども食堂をやられていました。
新型コロナウィルス感染拡大以前は、地域の方に食堂内で食事を提供していたほか、遊びや勉強ができる空間となっていました。しかし、現在では食堂内で食事をする方が減ったため、お弁当販売に切り替えて続けていました。また、2か月に1度条件に当てはまる人に向けてフードパントリーもやられていました。そのため、現在の食堂内は寄付される食材を置くための倉庫となってしまっていました。
2軒目の子ども食堂Bは学童事業と並行して子ども食堂を始められていました。学童が週5日開いているため、子ども食堂も週5日開いています。こちらの子ども食堂では遊びや勉強ができるスペースと食事をするスペースが分かれていました。新型コロナウィルス前後で空間の使い方に大きな変化はありませんでしたが、新たにフードパントリーを始められていました。これは、シングル家庭がなかなか食堂内で食事を取りにくいことから始められたとおっしゃっていました。
3軒目の子ども食堂Cは店舗だったところを借りて週5日子ども食堂を開いていました。
以前は食堂内での食事や、学校が長期休みであるときはお昼ごはんも提供をしていました。しかし現在では食堂内での食事を2家族までと自主的に制限し、お弁当販売とフードパントリーを新たに始められていました。その結果、これまでは必要なかった棚が増え、食堂の一部に寄付された食材を置くなど食堂と倉庫の要素が合わさっていました。
最後にお伺いした4軒目の子ども食堂Dは、系列の飲食店に隣接して週3日開かれていました。以前は食堂内で大勢集まってバイキング形式で食事を提供していました。しかし現在では食堂内での食事は、学習支援に来る子どもたちだけに限定をし、お弁当販売と登録者に対してフードパントリーを始められていました。そのため、他の子ども食堂と同様に、寄付された食材を保管、保存するための冷蔵庫や棚が増え、事務所と倉庫の要素が合わさった空間となっていました。
今回の調査で、インターネット上では知ることができなかった子ども食堂の現状がわかりました。また、子ども食堂A,C,Dのようにお弁当販売に切り替えたところは、食堂空間が倉庫と変化していたことが分かりました。今後はサービスの変化により生じた現在の子ども食堂の役割と、来訪者への変化などについて分析を行っていきたいと思います。