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2022-09-09

動物愛護センターでの現地調査

7月と8月に群馬県動物愛護センター、千葉県動物愛護センター本所・東葛飾支所、埼玉県動物指導センター本所・南支所、栃木県動物愛護センターに現地調査に行きました。

今回は、各施設の職員の方に、施設の使われ方や業務内容について知見を得ることを目的にインタビュー調査を行いました。

群馬県では、1972年に群馬県ドッグセンターを設置し、2015年に群馬県動物愛護センターが新設されました。

群馬県ドッグセンターでは、狂犬病予防法に基づき抑留・処分施設として設置されました。現在は、管理棟に名称を変更し、譲渡不適正と判断された動物の殺処分のみ行っているそうです。

その後、譲渡を本格的に始動することを目的に群馬県動物愛護センターが設立されました。群馬県食肉衛生検査所の敷地内に位置しています。新しい施設では、殺処分の機能は持っていないそうです。新たな機能としては譲渡に向けてトリミング室や相談室が設置されました。なた、定期的に譲渡講習会を開催し、一般譲渡に向けて様々な取り組みが行われていました。調査当日には、ボランティアさんが掃除や犬の散歩を行っているところを見ることができました。ボランティアさんは幅広い年代の方がご協力をしてくださっているそうです。

千葉県では、1976年に千葉県東葛飾地区ドッグセンターを開設し、1983年に千葉県ドッグセンターに名称を変更しました。1986年に千葉県動物愛護センターが設置され、千葉県ドッグセンターは動物愛護センター東葛飾支所に名称を変更しました。

千葉県動物愛護センター本所                                

千葉県動物愛護センターでは、収容棟と管理棟に分かれていました。収容棟では、犬を個体管理で収容し、管理棟では、猫を3段ゲージで収容していました。

千葉県動物愛護センター本所                                  

敷地内の樹木は、設立時に将来周辺が住宅街になることを見越して植えられたものだそうです。

千葉県動物愛護センター東葛飾支所                             

東葛飾支所でも、抑留棟と管理棟に分かれていました。猫を収容している部屋のネットや家具は自作又は寄付によって設置され、猫にストレスがかからないような環境づくりがされていました。

千葉県動物愛護センター東葛飾支所猫室                            

千葉県動物愛護センターでは、犬のしつけ方教室を希望者に対してYouTubeによる配信をしています。また、「犬と猫の出会いの場」を提供しており様々な理由から動物を飼えなくなってしまった方とこれから動物を飼育したいと希望している方との出会いの場を提供しています。

埼玉県動物指導センターは1973年に埼玉県動物指導センター本所が設置され、1992年に埼玉県動物指導センター南支所が設立されました。

埼玉県動物指導センター                                  

本所では、1986年に動物指導館を既設棟を改築して設置されました。以前は、動物に抑留として使われていましたが、現在は研修室・相談室・図書室で構成されています。

南支所は、浄水場の敷地内に設置されていました。規模が小さく、猫は数匹、犬は譲渡先が決まった場合に南支所に来るそうです。コロナの関係から、譲渡を希望する方には個別で日程調整を行い、講習会を行っているそうです。

栃木県では、1969年に栃木県ドッグセンターを設置し、1994年に栃木県動物愛護センターが設立されました。2015年には愛護館ドッグルームの運用が開始されました。

愛護館ドッグルーム                                      

愛護館ドッグルームでは、譲渡犬の展示、動物の歴史などから動物愛護の普及啓発を行っていました。

愛護館ドッグルーム                                     

各動物愛護センターでは、殺処分ゼロを目標としており、動物愛護普及啓発の活動をすることや多くのボランティアさんの尽力によって収容数や殺処分数が減少しているとのことでした。また、ボランティア団体さんにより収容されたほとんどの動物が譲渡されるようになったそうです。

今回の調査から、動物愛護センターがどのような施設なのか、どんな業務を行っているのかを知ることができました。聞き取れた情報をしっかりと整理し、施設の変遷についてしっかりと分析していきたいです。

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