2021-11-11
中間貯蔵施設の見学
こんにちは。土川です。
私は現在、2011年に発生した福島第一原子力発電所事故で被災した町に関する研究をしています。今回は原発に隣接し、汚染土壌や廃棄物を最終処分するまでの間貯蔵する中間貯蔵施設の見学会に参加してきました。
中間貯蔵施設は除染の際に発生した除去土壌や廃棄物を安全かつ集中的に貯蔵する施設で、大熊町と双葉町に約16㎢に渡って整備されています。この施設内には、汚染土壌が入ったフレコンバックを一時的に保管する仮置き場や、そのフレコンバックを分別する受入・分別施設、汚染された土壌や廃棄物の体積を小さくする減容化施設、汚染土壌を保管する土壌貯蔵施設など様々な施設があります。これらの施設のほとんどは元々田畑だった場所にアスファルトを敷いたり、山林を切り開いたりして作られたようで、とても異質に感じました。
このような大きな施設がある一方で、所々では荒廃してしまった家屋など、人々の営みの痕跡を感じられる場面がありました。また、施設内にはいくつか神社があり、数年を経て再建されたり、神楽奉納が行われたりしたそうです。
今回の見学会では中間貯蔵施設内をバスで巡り、現状を知ることができました。山林を大きく切り崩し、白やグレーの大きな建物が作られて、ベルトコンベアで結ばれている風景は事故以前と大きく異なることが容易に想像できます。もともとそこに住んでいた人々は、原発事故により故郷を失い、大きな施設が建てられ、複雑な思いがあると思います。その複雑な思いや、住民の間の分断を繋ぎ止めることができるような空間を卒業設計では考えていきたいです。
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